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No Music No Life

音楽は人間の生み出した最高の文化です。

私を月に

2008.01.06

category : もやもや

月が波に揺れる、その姿は・・・・


ガラスのように透明で、そこはかとなく明るくて、確かな闇がそこにある場所。

それは夜空。

人の香りのしない海岸で、まだ暖かい砂に腰を下ろす。

夏の夜は、体の境界をぼんやりさせてくれる。

子供達のように瞬く星と、枯れた黄色の月。

金色の垂れ幕は、彼方水平線から続く道。

そこは波の音が騒ぐ場所。

時と同じ、二つとない形が生まれては消えていく場所。

やがて騒がしさは曖昧になり、心地いい生命のリズムが五感をそっと撫でる。

哀しみが心に溢れ、涙で世界が霞んでしまうように。

今宵の月は、優しくその姿を波に映す。


少年はその世界に、真実の世界を・・・・


”Fly Me To The Moon”


この歌を知る前から、僕はこの歌を好きだった気がする。

それは中学1年、ひょんなことからこの曲を聞いた時だった。

歌詞すら聞きとれず、ただ流れるメロディーとして、でもそれは昔から感じていた哀しみの答えを知っていた。

何度も思い、誰にも話した事もなかった心の内を、初めて外から聞いた気がした。


月が波に揺る、その姿は、涙を流した心の形。


そこは今ここに存在する証明の地。

だから時には感じたくなる。

その時は

”Fly Me To The Moon”

”私を月に連れてって”



この歌を始めて聴いてから、8年が過ぎた頃。あるライブハウスでこの歌を聞いた。
とあるバンドに演奏されていたそれは、色々な気持ちと、そして夏の砂浜を思い出させた。

泣きそうになること。
それは、すでに泣いているのだと思う。
今宵のこの歌は、今の僕には重たくて、気持ちが一杯になってしまう。
目をつぶり音に揺れると、体がその場から消えてしまったように思えた。
思いっきり泣きたかった。

新宿まで歩き、そしてタクシーで家に帰った。

そうして今、こうしている。
この気持ちを書き残さなきゃと思ったから。



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朝 少年 夜

2008.01.05

category : もやもや

「おはよう」から始まる朝の会話が、もう数年くらい憂うつなものでしかない。

「寝起きは機嫌悪い」とか「まだ寝呆けてる」とかいって誤魔化しはするけど、実際そんなことは稀。

眠りの浅い人は、寝ぼけとかないんじゃないかと思う。
少なくとも僕は寝ぼけた記憶がない。
いや、常にボケているのかも…

大概がそう、くだらない世間話で朝は始まる。
だから毎朝が憂うつ。失望する朝だ。

「こんばんは」は好き。
嫌な人と付き合う必要がないから。


夜はとても長い。


朝と夜が切り離された世界に住む人は、きっとどこかに矛盾と哀しさを感じている?


そんな少年のぼやきでした。

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憂鬱と小説の関係

2008.01.04

category : もやもや

ほんの気まぐれから気付いてしまったのは、なんともぼんやりとした寂しさに似た気持ち。
数秒先に携帯電話でも鳴らないかと、ちょっと期待してしまったり・・・・

無闇に眠れなかった昨夜のせいで、一日眠気と戦うはめになった今日。
気温33度前後の温室は、睡魔の味方。眠くてたまらない。
そんな中でも少しも暖かくならない心の隙間は、口寂しさのように何かを欲しがる。

夕方になり、やっと少しだけ睡魔から開放された。
僕は先日買った文庫を少しだけ読んでみる。
それは恋愛小説だった。

そういえば中学の頃はよく本を読んでいた。
学校の勉強もほったらかしで、一日に一冊くらい読んでいた。
久しぶりに読んだ文庫は、ちょっと懐かしい気がした。
投げっぱなしの描写が、それが唯一の真実であることが嬉しく、現実世界のうやもやから逃げるには丁度いい気がする。

ほんの2章ほど読んだ頃、あっという間に時間が迫ってきた。
本を閉じた時、変な虚しさはやってくるんだ。


どうしてかな。
終わってしまう事は怖いけど、終わってしまえばいいと思ってしまう。

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